内覧会で失敗・後悔した事例から学ぶ注意点

内覧会の失敗・後悔

新築住宅の売買契約を交わした人から、引渡し前の内覧会(買主による完成検査)への同行を依頼されることが多いですが、なかには引渡し後に依頼する人もいます。いずれのタイミングであっても、内覧会への同行や入居後の住宅点検を依頼した人から聞いた失敗談や後悔した話をまとめてみました。

住宅購入の先輩たちの失敗・後悔した事例から学ぶことで、あなたの内覧会を成功させてください。

失敗例1.時間制限を律儀に守りすぎた

内覧会の時間制限

内覧会は、購入した物件によっては売主や建築会社、販売会社から所要時間の制限を伝えられることがあります。その傾向は一戸建てよりもマンションの方でこそ多いです。

たとえば、所要時間を30分や45分までと限定するというものです。このことは、一方的に文書(内覧会の案内状等)によって伝えられることも少なくありません。

この文書を見た買主のなかには、あまり深く考えずに「そんなものか」と思い、実際に内覧会を30分や45分で終わらせようとする人も多いです。

しかし、内覧会では不具合の有無を全てのスペース(玄関・廊下・LDK・寝室・子供部屋・洗面室・トイレ等)で実施しなければならず、これだけでも多くの時間が必要とします。依頼していたオプション工事の完了状態や仕様の変更箇所を確認するといった作業もあり、とても1時間以内に終えることなど不可能です。

実際には、指定された時間を超えて内覧会をしている買主も多いのですが、深く考えず準備もしていなかったために、内覧会を終えてから「時間制限を守りすぎたかもしれない」と後悔した話を何度も聞いています。

内覧会に専門家を同行した場合は、一般的な広さの住宅で2時間程度(一戸建てで床下や屋根裏の調査も依頼すれば3時間以上)の時間がかかるものですから、所要時間をしっかりとって確認するようにしてください。

失敗例2.傷チェックと採寸しかしなかった

傷チェックと採寸

入居後に建物を診断してほしいと依頼があった人から、以下の話を伺いました。

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内覧会の当日に現地へ行って、その場に立会う売主や建築会社の担当者から一通りの説明を受けたあと、「補修を希望するような傷などがあれば言ってください」と言われ、傷のチェックをした後、カーテンや冷蔵庫の設置スペースについて採寸して帰った。

入居後、隣の人から「内覧会で不具合がいくつもあったので補修してもらった」と聞き、自分たちがそういう視点で見ていなかったことに不安を感じた。
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実はこれと同様の話は事情に多いです。

同じ売主が販売した隣の家の人から、「床下で断熱材がばたばた落ちていて、再設置してもらった」と聞いて不安になり、専門家に調査依頼したところ、同じように断熱材が落ちていたというケースもありました。

内覧会は、傷チェックと採寸だけの機会ではないですから、引渡しまでの間に建物の状態をしっかりチェックして施工不良がないか確認しておきましょう。

失敗例3.内覧会の翌日に引渡し日だったため補修工事で困った

内覧会と引渡し日

内覧会では、施工不良などがあれば指摘して売主や建築会社に補修してもらわなければなりません。その指摘内容にもよりますが、補修工事には数日を要するものが多いですから、内覧会の翌日に引渡しというスケジュールを組んでしまうと補修工事を行なう時間が取れません。

買主が入居を急ぐあまり、もしくは建築工事が遅れて予定よりも完成時期まで遅れたために、内覧会の翌日や翌々日に引渡しというスケジュールにしてしまったという人から相談されたことが何度もあります。

本来ならば、引渡しを延期してでも先に補修してもらうべきなのですが、引渡しの翌日には引越しまで段取りしている人がいて、引渡しの延期が出来ないというのです。

止むを得ず、引越ししてから補修してもらうことになったのですが、暮らしながら補修してもらうということは、職人が生活しているなかへ出入りするということであり、ストレスの溜まる新生活のスタートとなってしまいます。

内覧会と引渡しや引越し日の間は、少なくとも1週間以上はあけるようにしましょう。内覧会前後の流れについては「売買契約から内覧会・引渡しの流れ」を参照してください。

失敗例4.内覧会がなく引渡しの後に買主だけでチェックした

引渡し後のチェック

新築マンションを買った人には、完成日が近づけば、売主側から買主に対して内覧会の開催案内が届き、内覧会日を調整することになります(一方的に指定されることもある)。一戸建てを買った人の場合、売主側から内覧会の案内が電話やe-mailで通知されることも多いです。

ところが、一戸建て住宅では、売主によってはあるべきはずの内覧会を買主へ案内していないケースがあります。購入した住宅の状態を確認する非常に大事な機会であるにも関わらず、その機会を設けずに引渡しをしてしまうというのです。

多くの住宅では、きちんと内覧会かこれに相当する場を設けてもらえますが、一部では開催されていないことがあるので注意してください。

実際に売主側から何の案内もなかったために、何も知らずに引渡しを受けて入居した人が、引越しの直前に自分たちで建物を確認していたら、いろいろな不具合に気づいたという相談がありました。

内覧会を開催しないような業者ですから、引渡し後に買主から補修を要求しても対応が悪くて、いつまで経っても補修してもらえないということでした。

売主側から内覧会の案内が無いならば、買主から早めに聞いておく必要があるので注意してください。

<専門家に立会いを依頼するなら>
建築士による内覧会立会い・同行
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