これから建売住宅の内覧会を迎えようとしている人から、「専門家に内覧会への立会いを依頼すれば、地盤も見てもらえるのか?」と質問を受けることがあります。地盤は大事なものだけに、詳しい人に相談したいと考えるのは無理もありません。
今回は、内覧会と地盤調査の関係性について解説します。
1.地盤は重要
地盤が重要であることは言うまでもないでしょう。建物本体工事がどれだけしっかりしたものであっても、地盤が軟弱で且つ地盤改良工事が不適切なものであれば、地盤沈下や建物の傾きが生じるリスクがあるからです。
良い地盤の上にマイホームを構えたいと考えるのは当然のことですが、地盤が弱いエリアの広い日本ではどうしても地盤改良工事を伴う敷地が多くなっています。
地盤の状況は、地面を見たところで判断できません。掘削工事をしたときに、掘削した深さまでは地質を目視確認できますが、地盤の強さまでは目視してもわかりづらいです。重要な地盤なのですが、地盤調査しないことにはその強度まではわからないのです。
2.地盤調査報告書の確認
建物を建てるときは、建物本体工事の前に地盤調査を行います。そして、その調査結果が書面で提出されます。その書面が地盤調査報告書や地質調査報告書などと呼ばれるものです。
これから購入して住もうとしている土地の地盤データは、確認しておきたいものですね。
建売住宅ならば、売主が地盤調査をしているはずですから、必ず写しをもらっておくべきでしょう。
しかし、専門家に内覧会立会いを依頼したとしても、地盤調査報告書までは見てもらえないことも多いです。内覧会立会いは基本的に建物を対象とするサービスであって土地の調査をしているわけではないからです。依頼前に地盤調査報告書を見てどのような地盤なのか解説してもらえるか確認するとよいでしょう。
3.地盤改良工事報告書の確認
地盤調査の結果、当該地の地盤が弱いと判断されたときには、地盤改良工事や補強工事を行なうことになります。新築の建売住宅でも地盤改良工事をしている物件は非常に多いですから、地盤改良している物件かどうか契約する前に確認しておきましょう。
この地盤改良工事報告書も、地盤調査報告書と同じで多くのホームインスペクション会社は書類確認していません。建物本体でないからという理由ですね。
しかし、地盤調査の結果と合わせて地盤改良工事報告書についても、見てアドバイスをもらえる会社に依頼したいものです。
ここで説明したように、一般的には、地盤に関することは内覧会のチェック対象となりません。いくつもある内覧会立会い業者に、地盤調査報告書等についても確認してもらえるかどうか相談しておいた方が無難です。